診断まで ③

「とてもきれいな脳と脊髄です。異常はありません」

医師は言いました。

画像を診て判断出来る知識はまるで無いのですが、確かに、脳みそは詰まっていて変な影も無い。脊髄がなにか圧迫さへてる様にも見えない。医師の言う通り「きれいで、なんの問題も無い」画像だったと思います。

握力が両腕とも低下していると言うことは、手首や肩の神経を圧迫する様な病気の所見ではない。首や脳に異常があるのでは?

という整形外科の考えはひとまず否定されたわけで、最悪のケースは回避した。筋疲労を抑える薬みたいなものを処方され、その日は終わりました。

まぁ、腕の使いすぎとか、イップス的に症状が時たま出るんだろ。よくわからんけど、異常はないんだ。気のせい気のせい。

「じゃあ、手に力が入らないのはなぜ?」という疑問を掻き消すように、自分に言い聞かせることにしました。

しかし、その症状は消える事なく、徐々に頻度が、脱力感が、出来ないことが、増えていきました。

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